2、初めての仕事
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「ここはどこ?」
目覚めたのはいいけれど、何が起こったのか分からなかった。
どういうこと…?学校の帰りに携帯をのぞいただけなのに…」
買ったばかりのスマートフォンから突然眩しい光が溢れ出し、
視界が元に戻ると、そこは知らない場所だった。
見回してみても、見知った建物や舗装された道路はなく、
土がむき出しの地面や生い茂った木々、そして石ころしかなかった。
「これは夢?」
ふと見ると、目の前に奇妙な格好をした小さな子供が立っていた。
こちらに背を向け、小さな肩をふるわせて泣いているようだ。
あの子なら、ここから出る方法を知っているかもしれない。
私はその奇妙な子に呼びかけてみた。
「ねぇ…」
するとその子は振り向いて、ぐしゃぐしゃの顔でこう言った。
「ひっく…ひっく…おじいちゃんが…いなくなったよ~。うわ~ん!」
おじいちゃん?私だって突然こんな場所に来て困っているのに、
その子のおじいちゃんの居場所なんて見当もつかない…
でも、その子は私の気持ちなどはお構いなしに話を続けた。
「さっきまで、おじいちゃんがここにいたのに…
急に『ごめん』って言っていなくなっちゃった。どうしよう?
おじいちゃんがいないと大変なことに…」
そして突然、その子は私の手を握り、
一生忘れられない「願い事」を私に向かって言った。
「空から落ちてきた神様…どうか僕を助けてください!」
こうして私はウパル村の神様になってしまったのだ。
自分の部屋の掃除も満足にできないのに…
とにかくやってみよう。
私は今日から「ウパルランド」の神様として、
村の世話をすることにした。
村のあちこちに魔力を養分としている木々や岩が散らばっている。
まずはこれらを何とかしないと…
ルパによると、ここの木々や岩は魔力の力で育ったものらしい。
だから手で引き抜く必要はなく、魔法の力で片付けられるという。
そんな方法が…それなら、神様であるこの私が魔法の力で
片付けてやろうじゃないか!
ウパウパ・ルパルパ・ウパルンパ!
…ロック・ツリー・エクスプロージョン?」
これでもかと言うくらい気合を入れて手を振り回した。
しかし…何も起こらない。あれ…私は本当に神様なの?
その時、ルパが言った。
「マナボールという魔法の源があれば、魔法を使うことができるよ」
「じゃあ、そのマナボールはどこにあるの?」
私が質問すると、ルパはしばらく悩んでから再び泣き出して
おじいちゃんを探しはじめたのだった。
「ああ、わかったよ!一緒に探してあげるから…」
おじいちゃんを探しながら考えてみた。
いばらを取り除く魔法なら、森のウパルが知っているんじゃないか。
さっそく祝福された森を訪れ、そこで「ポリー」に出会った。
静かな輝きを放ちながら、ぴょんぴょんと跳ねていたポリーは
私を見つけると微笑み、そして全身を強く輝かせた!
「うわっ!私は敵じゃない、話し合おう!
…なにこれ?どうなってるの!?」
強烈な光が収まると、ポリーの前に黄金色の丸い結晶が置かれていた。
水晶のように透明で、宝石のように輝くその結晶の中には
ポリーが先ほど放っていた輝きが、雫のように封印されていた。
「これがマナボールです!」
「そうなのか!もう、早く言ってよ。マナボールはウパルが作るって…
まぁ、とにかくこれで魔法を使えるんだね?」
マナボールを使って、あの邪魔ないばらを片付けることにした。
マナボールの効果は絶大で、嘘みたいに木々や岩が消えてしまった。
ルパと私はあっという間に村の掃除を終えてしまった。
「本当に神様になったみたいだ~」
その時を待っていたかのように、空から巻物がポンと落ちてきた。
それはルパを心配して、おじいちゃんが残した魔法の手紙だった。
「ルパよ、何も言わずに姿を消したおじいちゃんを許しておくれ。
お前さん一人でウパル村の世話をちゃんとできるのか心配だ。
いつの日か、おじいちゃんがいなくなった理由を、
お前さんにきちんと説明できる日が来ると願っておる…」
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